『スポーツ団体向けメールマーケティングガイドライン』を公開しました
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『スポーツ団体向けメールマーケティングガイドライン』を公開しました

ご挨拶とダウンロード
スポーツ団体だけではなく、多くの企業にとって欠かせないメールマーケティング。SNSの活用が当たり前になった現在でも、メールマーケティングの重要性は変わりません。しかし、スポーツ業界は団体によってその内容・クオリティは様々です。どうにか良くしたいけど何を見てどう改善すれば良いのかわからない、そもそも何を目的としているのか整理できていない、という悩みを抱えている担当者も多くいると思います。

このような現状を打破するためにも、約8,000社の導入実績のある配配メールを運営している株式会社ラクス安藤健作氏宮坂夏生氏に協力いただき、メールマーケティングで解決できる課題やKPIの説明をはじめ、実際にスポーツ団体がHTMLでメールを配信するに当たり活用できるメール雛形も用意し、メールマーケティングに対する不明なことを解消できるガイドラインを提供することにしました。『スポーツ団体向けメールマーケティングガイドライン』は、以下より誰でも無償でダウンロードいただけます。

本noteでは、ガイドラインの内容に沿って各パートを補足しています。PDFの資料と合わせて記事もご覧いただければと思います。

ガイドラインの目的

スポーツ団体向けメールマーケティングガイドライン.004

当ガイドラインを策定した目的は「スポーツ業界のメールマーケティングに対する基準を上げる」ことです。そのために、

WHY(メールマーケティングをなぜするのか)
WATCH(どこに気をつけるのか・何をKPIとしてみるのか)
DO(どんなメールを作成するのか)
IMPROVEMENT(どう改善するのか)

のサイクルを本ガイドラインをベースに各団体で回していくことを推奨します。

メールマーケティングで解決できる課題

スポーツ団体向けメールマーケティングガイドライン.005

メールマーケティングは、マーケティングオートメーションツール(※MAツール)の利用が必須ではありません。メール配信に特化したツールならば、MAツールと比較して安価に利用できるため、自分の団体に合ったものを導入することで低価格で高い投資対効果を期待できます。
また、メールの開封率やリンククリック率などのデータを見ることで、お客様はどんなことに興味があるのか把握することができ、この情報はメールマーケティングにとどまらず、SNSの投稿や試合イベント(興行)など他の施策にも活用できます。

メールマーケティングは、読者によって購読解除(オプトアウト)をされるまでは何度でもアプローチすることができるため、ターゲットやタイミング、コンテンツなどを変えながら様々な種類のメールを送信し、反応を見ることで最適化していくことができます。

※MAツール
マーケティング業務を自動化することで業務効率化、生産性向上を図るツール

メールマーケティングでおさえるべきこと

スポーツ団体向けメールマーケティングガイドライン.006

メールマーケティングの成果は「リスト × タイミング × コンテンツ」で決まります。

①リスト
スポーツ業界では、スポーツ団体と配信リスト(メールが送れるお客様)とのつながりは強い傾向にあります。元々その団体のことが好きで登録している人が多いため、一般企業よりも高い効果が期待できます。さらに効果を高めたい場合は、有料ファンクラブ会員と無料会員、試合に来場した人としていない人、などグループを分けて配信することでより高い効果を期待できます。

②タイミング
メールの開封率には「件名」「差出人名」「読者がメールアプリを開いた時間」が大きく影響を与えます。特に3つ目の「読者がメールアプリを開いた時間」は重要であり、読者のアクティブな時間やメールをチェックするであろう時間に配信することで高い効果が期待できます。メルマガが読まれやすい曜日や時間帯には一定の傾向があるため、クラブの都合ではなく読者の読みたいタイミングで送ることが重要です。

③コンテンツ
最適なタイミングでメールを配信して読者の目に入ったとしても、メールの開封やリンクをクリックするなどの行動に移してもらわなければ意味がありません。そこで重要となるのが「差出人名」「件名」「本文」の3つです。

【件名】
件名はできるだけ15文字以内に収める。
メールを見るデバイスがパソコンかスマホかによっても異なりますが、多くのスポーツ団体のサイトにはスマホで訪れるユーザーが多いため、スマホのメールアプリでの閲覧を想定した場合に表示されるのは15文字程度となります。15文字に収まらない場合には、重要な要素や最も伝えたいことを冒頭に記載し、画面に表示されるようにします。

【差出人名】
誰から送られてきたメールなのか明確にわかるようにする。
読者が認知しているスポーツ団体のチーム名を使うのが基本ですが、選手名などで送ることでさらなる開封率の向上が期待できます。

【本文】
画像を用いてわかりやすく、本文は短くシンプルにする。
メールの平均的な閲覧時間は7秒と言われており、7秒で読める文字数はおよそ140文字とTwitterの1投稿分の文字数と同程度となります。画像は文字の5,000倍の情報量があると言われているため、文字で冗長に述べるよりも1枚の画像のほうが成果が出やすくなります。

また、配信頻度を高めることも開封率向上につながります。スポーツ団体は読者とのつながりが強いため一般企業よりは購読解除がされづらいですが、高い配信頻度は読者離れを引き起こす要因となるため、購読解除率を見ながら送り過ぎには注意しましょう。

メールマーケティングでのKPI

スポーツ団体向けメールマーケティングガイドライン.007

メールマーケティングでは、主に下記5つの指標をKPIとします。

①到達率:到達数 / 配信リスト数 × 100
配信リストのうちメールが届いた割合。
配信リストの中に、不備のあるメールアドレスやすでに使われていないアドレスが多く含まれていると到達率は当然下がります。

②開封率:開封数 / 到達数 × 100
届いたメールのうち開封された割合。
前述の通り、開封率には「件名」「差出人名」「配信タイミング」が影響します。

③反応率:URLクリック数 / 開封数 × 100
開封されたメールのうち文中のURLがクリックされた割合。
メール内のURLがどのくらいクリックされたかがわかるため、コンテンツの質や件名とコンテンツの親和性・関連性といった点を判断することができます。

④クリック率:URLクリック数 / 到達数 × 100
届いたメールのうち文中のURLがクリックされた割合。
開封されたメールに対する反応率とは異なり、クリック率は届いたメールに対してクリックされた割合を測ります。メールの到達率や開封率の影響を受けるため、コンテンツだけではなくターゲットや配信時間も見直す必要があります。

⑤購読解除率:購読解除数 / 到達数 × 100
届いたメールのうち購読解除(配信停止)された割合。
購読解除をするための導線を記載することが法律で定められています。購読解除を避けるために明確な表記を避けると、迷惑メール扱いをされてしまうことがあるので、きちんと明記しましょう。

スポーツ業界は読者とのつながりが強いため、目標値は一般企業における数値よりも高く設定しています。目標値と自分のチームの数字を比べてみて、どこに課題がありそうかを検討してみてください。

KPIごとのチェックポイント

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5つのKPIのうち、どこに課題があるのかが見つかったらその箇所の改善を行います。

到達率が低い場合は、使われていないメールアドレスがリストに入っているか迷惑メール扱いされていることが要因として考えられます。エラー率の高いメールは迷惑メール判定されやすいため、配信リストはこまめに整理しましょう。

開封率が低い場合は、「件名」か「差出人名」か「配信タイミング」に問題があるため、それぞれ1つずつ変えて配信し、どれが要因か明確にします。

反応率が低い場合は、メール件名と配信内容が一致しているかを確認します。また、件名で本文のサマリを具体的に記載する、本文のファーストビューに件名に関する詳細情報を記載することも反応率を上げるうえで重要です。

クリック率が低い場合は、リンクボタンを見直します。URLを直接貼っている場合はボタンに変えてみる、ファーストビューにリンクボタンを表示させてみる、リンクボタンのテキストを見直してみる、とひとつずつデータに基づき改善をしていきます。

購読解除率が高い場合は、読者の興味と配信内容が一致していないことが考えられるため、内容の検討や興味の低い内容のメール頻度を変えてみたり、読者をセグメントし、配信内容を変えることを検討する必要があります。

※SPF認証とは
送信元のIPアドレスでなりすましメールを識別する技術

※DKIM認証とは
電子署名をベースとした認証技術

参照元:なりすましメールに注意!SPF認証とDKIM認証の違いとは

主要なツールの紹介

スポーツ団体向けメールマーケティングガイドライン.009

メールマーケティングを実施するための代表的なツールを紹介します。自分の団体の課題や予算などにあわせて選べば良いです。

セルフサーブ型メールサービスは、低価格で導入できますが、ツールのみの提供となります。基本的に運用相談は行っていないので、自分たちで行わないといけません。ジムに例えると、機材だけ置いておくからあとは自分たちでトレーニングしてくださいね、という形式です。

メール配信サービスは、ツールの提供に加え、運用相談も提供サービスに含まれます。配配メールもこちらに当たり、初期設定の支援や運用改善の提案などのサポートも行います。1対1とまではいかないですが、先生がいてトレーニングを指導してくれるジムの形式です。

マーケティングオートメーション(MA)は、通常のメール配信に加え、対象のURLを閲覧したユーザーにメールを配信するなど、Web上での行動に紐付いたメール配信が可能です。利活用するためには自社のマーケティングに関わるプロセスを細かく紐解いて仕組化する必要があるため、ベンダーによる手厚いサポートが求められます。ジムで言うと、パーソナルトレーニングジムのようなイメージです。

参照元:「そのメルマガ、やり方間違ってます!」配配メール安藤氏に聞く・メールマーケティングできちんと成果を出す方法って?

メール作成において押さえるべきポイント

スポーツ団体向けメールマーケティングガイドライン.010

メール作成において押さえるべきポイントは6つです。

①件名は15文字以内
スマホでのメール閲覧が多い現在、スマホにあわせたメールを作成する必要があります。スマホのメールアプリでは15文字程度しか件名に表示されないため文字数を意識し、できるだけ件名の先頭に重要なワードを配置します。

②リンク形式
メール本文中のリンクは、「URL」や「○○はこちら」といったテキストリンクではなくボタンにすることで高い効果が期待できます。ボタンであるということがわかるように、影をつけることでさらなる効果を期待できます。

③購読解除
特定電子メール法に基づき、購読解除するための導線、および送信者の情報(社名・住所・連絡先)は必ず記載しなければなりません。「購読解除」や「配信停止」といった明記を避けると、迷惑メールとみなされてしまうこともあるため、わかりやすく記載する必要があります。

④リンクはファーストビューに
メール本文すべてを閲覧しない読者が多いため、ファーストビューにリンクボタンを設置し、スクロールしなくてもクリックできるようにします。2つ目以降のボタンはメールの下に行くほどクリック率が下がるため、それを考慮してボタンを設置します。

⑤差出人名は読者が認知している名称・表記で
オリジナルの差出人名はさけ、誰もが自分のチーム、団体だとわかる差出人名を設定します。チームとつながりの強い読者に対しては、差出人名を選手の名前で配信することで高い開封率を期待できます。

⑥コンテンツの内容
読者の興味・関心とコンテンツの内容が一致していない場合、購読解除が増える傾向にあります。購読解除が増えた場合には、配信頻度よりもコンテンツの内容を見て、読者の興味・関心と一致しているかを確認します。

ケーススタディ

スポーツ業界で想定されるメールの雛形を6種類ご用意しました。前提となるレイアウトの概念も合わせてご提供します。

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〜コンテンツレイアウト〜

スポーツ団体向けメールマーケティングガイドライン.012

はじめに、コンテンツレイアウトの紹介です。
スポーツ団体のメルマガ読者はスマホユーザーが多いため、スマートフォンの画面を意識したレイアウトにすることが重要です。
キービジュアルが大きすぎたり縦長だとそれだけでファーストビューを占めてしまうため、サイズに気をつけるとともに、ファーストビューにリンクボタンを入れ、クリックしやすいようにします。文字はあまり読まれないため、画像をうまく活用し、読まなくても内容がわかるようにします。補足の情報やSNSのリンクボタン、送信者情報や購読解除の導線は、ページの下に設置します。

〜試合チケット購入促進〜

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件名で試合情報(日時、場所、対戦相手)がわかるように設定し、すぐチケット購入ページに遷移できるようにファーストビューにリンクボタンを設置します。リンクボタンの下には、試合の見所やグルメなど、ライトなファンのチケット購入の心理的な障壁を下げるようなコンテンツを配置します。

〜シーズンチケット購入促進〜

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こちらも試合チケットと同様にファーストビューにシーズンチケット購入ページに遷移できるリンクボタンを設置します。その下に、シーズンチケットを購入したくなるようなお得な特典を掲載します。

〜グッズ購入促進〜

スポーツ団体向けメールマーケティングガイドライン.015

件名に、紹介するグッズの商品名や割引などのお得な情報、新発売等を記載しクリックを促します。グッズ販促メールには商品画像は必須であり、読者に興味を持ってもらうことが大事です。また、一度リンクボタンをクリックすると、メールには戻ってこない事が多いので、メールに関連商品を多数載せるよりも、リンク先のページにオススメ商品などを合わせて掲載するほうが効果は高くなります。

〜エンゲージメント向上〜

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自チームのサイトなどに遷移させる必要がなければ、リンクボタンは設置不要です。「メルマガを取っていて良かった」と思ってもらえるように、ここでしか見られない特別感を出すことが重要であり、今後の購読継続に大きく影響します。特に誕生日メールなどは個別配信になるため、半年や一年といった期間を経て成果を確認します。

〜動画視聴促進〜

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試合チケットと同じく、試合情報(対戦相手、放送日時)を件名に記載します。リンクボタンは、クリックすることでどんなことが起こるのか、遷移先にどんなコンテンツがあるのかわかるテキストにします。CTAに記載するテキストとしては、「クリック」や「詳細はこちら」ではなく、「動画を観る」など文脈を意識した読者視点の内容が良いです。

〜ファンクラブ会報〜

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個別にファンクラブ専用サイトを持っていない場合には、ファンクラブ入会者向けに会報としてメールを配信しましょう。差出人名を(チーム名)事務局などにすると開封率が下がるため、事務局などは記載せず、チーム名だけを設定します。その時々のクラブ情報を掲載し、読み物としてのメールを作成します。

最後に

リアルタイムで会話を行うチャットツールやSNSの普及により、コミュニケーションツールとしてメールが使われる場面は大きく減少しました。しかし、企業から個人への情報伝達ツールとしてのメールの重要さは増しており、現在もBtoC間のメールの流通量は増加傾向にあります。

これは企業のマーケティング活動において、メールは最も投資対効果が高いマーケティング手法であるとともに、SNSではできない特定個人に対するアプローチが可能であるため、とも言われています。

しかし、一般企業はもちろん、スポーツ業界において正しい知識をもって施策を実践できている団体はまだまだ多くありません。メールマーケティングの成果は「リスト × タイミング × コンテンツ」の要素の掛け合わせであり、それぞれの要素の成果を測るのが5つのKPI到達率開封率反応率クリック率購読解除率)です。

スポーツ団体の場合、直近のクラブの状況もメールに影響を与えるため、配信ごとの結果に一喜一憂する必要はありませんが、自分たちのメールが平均して成果を出せているかどうはか振り返るようにしましょう。今回のガイドラインが、スポーツ業界全体のメールマーケティングのレベル向上につながれば幸いです。

メールマーケティングに関してより詳しい話を聞いてみたいなどありましたら、PSIまでご連絡ください。『スポーツ団体におけるメールマーケティングガイドライン』は下記よりご覧いただけます。

また、多くのスポーツチームが抱えている「ウェブサイトやSNSの効果が実際のところわからない。それでもやらないわけにはいかない。」「何から手をつければいいのかわからない。」といった悩みに答えるべく、数値の取得方法や、そもそもなぜその数値を取得すべきか?という概念を示した「スポーツ団体におけるウェブ解析ガイドライン」も提供しておりますので、合わせてご覧ください。


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