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企業だけではなく世界中の人々に好影響を与える「スポーツ×広告」の事例を通して、スポーツの魅力を伝えたい!

世界には様々な広告賞が存在し、そこで受賞することを1つのゴールとして取り組む企業もいるくらい高い注目度を集めています。スポーツの広告賞もあり、企業がスポーツを活用して広告を打つ価値が広く浸透しています。

しかし日本においてスポーツを活用した広告の浸透度はまだまだ低いと感じており、もっと「スポーツ×広告」の価値が伝わるように日本でスポーツ広告賞を作りたいと考えました。

今回はその第一歩として、世界にはどんなスポーツ広告賞があるのか、そしてその広告賞の受賞作品を紹介したいと思います。

クリオ賞 / Clio Awards(アメリカ)

クリオ賞は1959年に創設された、世界で最も権威ある世界三大広告賞のひとつです。ニューヨークにて開かれ、広告やスポーツ、ファッション、ミュージック、エンターテインメント、ヘルスケアなどあらゆる形のクリエイティビティを評価対象とし総合的な視点で審査している賞です。その姿勢から、広告界のピューリッツァーとも呼ばれています。「GRAND」「GOLD」「SILVER」「BRONZE」の4つの賞で受賞発表されます。

受賞例:2021年 GRAND受賞 Burger King

EFL League 2(イングランド4部)に所属するサッカークラブのスティヴネイジFC(StevenageFC)とバーガーキングとのスポンサーシップが2021年のGRANDを獲得しました。

スティヴネイジFCって?と思う方が多いように、成績も認知度も低いクラブの状況を逆手に取りました。世界に4,000万人近いユーザーがいるサッカーゲームのFIFAを使って、スティヴネイジチャレンジという取り組みを行ったのです。

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参照:https://www.stevenagefc.com/news/2019/october/stevenage-challenge-burger-king-sky-bet-league-two-efl-thursday-17th-october-2019/

世界10カ国を対象にしたスティヴネイジチャレンジの内容は、ユーザーにスティヴネイジFCでFIFAをしてもらい、ユーザーがプレーしている国によって、ヘディングでシュートを決めるなど設定したチャレンジ課題に取り組んでもらうものです。その課題をクリアしたシーンの動画をSNSに投稿させ、投稿したユーザーは見返りに、バーガーキングの無料ハンバーガー券などがプレゼントされました。

2週間実施されたこの企画で、オンライン上でも25,000を超えるゴールがシェアされたとのことです。また、チームを育成していくキャリアモードでスティヴネイジFCは全チームの中でもっとも多くプレーされました。加えて地元だけでなく海外からもスティヴネイジFCのユニフォーム注文が殺到し、すぐに売り切れとなったそうです。

12億回のインプレッションを出したこの企画は、スティヴネイジFCを活用することで、何百万人もの人々がバーガーキングと交流することができました。バーガーキングとして大成功なのはもちろん、クラブ認知度の向上やユニフォームの売り切れとクラブにも大きな価値が生まれたこの企画は素晴らしいものですね!

参照記事:SPOVA(スポバ)

カンヌライオンズ / Cannes Lions(フランス)

世界三大広告賞のひとつであるカンヌライオンズは1954年に設立された世界最大規模の広告・コミュニケーションフェスティバルです。フランスのカンヌにて開かれ、フィルム部門やデザイン部門など全28部門よりグランプリ・金賞・銀賞・銅賞が設けられています。作品の受賞以外にカンヌライオンズでは、毎年300を超える"セミナー"や、様々な業界から集まった約1万5000人による"交流"が行われ、世界のトレンドに大きな影響を与えています。

受賞作は単純に1本のテレビCMや1枚の駅貼りポスターが選ばれるのではなく、新聞広告とツイッター施策を連動したものやインフルエンサー・マーケティング的なものなどその中身は幅広いです。「作品」というより「事例」と呼ばれることが多いです。

受賞例:2020/2021 フィルム部門グランプリ NIKE

YOU CAN’T STOP US

陸上と水泳、野球とテニス、バレーとバスケなど、画面を左右に分割し、世界トップクラスのアスリートたちの競技シーンをモンタージュ合成し、まるで両者が”一体”であるかのように表現したこの作品。

新型コロナウイルスのパンデミックによる練習場の閉鎖や試合の中止などのどんな困難に直面しようと「私たちがひとつになれば、だれも私たちを止められない」。合成映像を用いて、そのメッセージをエモーショナルに伝えています。クリエイティブ・チームは4,000を超える素材の中から、ベストな組み合わせを選び抜いたそうです。

レブロン・ジェームズ、大坂なおみ、クリスティアーノ・ロナウドら53人のアスリートが出演しました。ナレーターを務めるのは、米女子サッカー代表チームの主将・ミーガン・ラピノー。LGBTQ+や女性アスリートの権利向上の提言を積極的に行う"もの言うアスリート"としても知られています。

ウイルスは我々を止められない。転じて「人類は止まらない」という大きなメッセージをアスリートの活躍、スポーツがもたらす感動に重ね合わせたストーリーテリングになっています。

参照記事:カンヌライオンズ日本語サイト

THE ONE SHOW(アメリカ)

THE ONE SHOWは、ニューヨークの非営利団体「The One Club for Creativity」によって1975年に設立された「アイディアの創造性」と「エグゼキューションのクオリティー」を評価する国際賞で、カンヌライオンズ、クリオ賞と並ぶ世界3大広告賞のひとつとされています。トロフィーの形から、ゴールドペンシル、シルバーペンシル、ブロンズペンシルの3つの賞と、メリット賞の合計4つの賞が各部門から選出され、BEST OF SHOWがその年の最優秀賞となります。

受賞例:2021年ダイレクトマーケティング ゴールドペンシル  Corona 

THE MATCH OF AGES

新型コロナウイルスのパンデミックによるスポーツ活動の停止により、スポンサーはファンを楽しませるための創造的な方法を見つけなければなりませんでした。その中で独創的な方法の1つが、Coronaが作成した「MatchofAges」です。

メキシコで最大のダービーと言われるクラシコ・デ・クラシコス(Club América[クラブ・アメリカ] VS Club Deportivo[CDグアダラハラ])の過去70年分の試合(合計50試合、75時間以上)を、90分の試合に編集しました。時空を超えてシームレスに賑わったこの試合映像は、映像に違和感がないように編集されており、まるで本物の試合を見ているかのように感じます。

↑90分に編集された過去70年分の試合映像

この試合は2020年6月にテレビで放映され、ブランドの大規模な露出を生み出し、最近の記憶の中でメキシコで最も記憶に残るメディアイベントの1つにランクインしました。

懐かしさを超えて、プログラムは首尾一貫した説得力のあるサッカーゲームとして持ちこたえ、試合結果は14-14で引き分けに終わりました。

試合当日は評価が急上昇し、コロナビールの売上はその週に54%急増し、試合内のスポンサーシップは新型コロナウイルスと戦うための資金を調達しました。それだけではなくこの作品は、サッカーひいてはすべてのスポーツを、人間の精神の標識として国民の団結と誇りの光を放ち、より深く切り詰めました。

新型コロナウイルスで大きな影響を受けたであろうCoronaが、スポーツを活用することでスポーツも企業も成果を上げるだけではなく、メキシコの人たちの希望の光となることがとても素晴らしいですね。

参照記事:The One Clubmuse by Clio

イノベーションリーグ・コンテスト(日本)

イノベーションリーグ・コンテストは、スポーツ庁がSPORTS TECH TOKYOと共同で実施している、スポーツオープンイノベーションプラットフォーム構築の推進を目的としたプログラムです。スポーツビジネスを拡張させるこの取り組みは、2020年からはじまりました。スポーツビジネスを拡張させる「イノベーションリーグ・アクセラレーション」もこのプログラムの1つです。

受賞例:2020年アクティベーション賞 受賞プロジェクト 株式会社ookami

「【Player!】コロナ禍におけるスポーツエンターテイメント3.0」

新しいスポーツ観戦方法、収益モデルを作り上げた Player! がアクティベーション賞を受賞しました。Player!は、試合中だけではなく試合外でもファンからサポートを募れるプラットフォームです。

機能は複数あり、"試合速報や動画配信を通してファンからサポートを得られる機能(いわゆる投げ銭)"や"SNSにサポートページを掲載することでいつでもサポートを募ることができる機能"などがあります。

新型コロナウイルスの影響により、スポーツの試合が延期・無観客試合を余儀なくされた中、「チームの新たな収益モデル」「大会広報のDX」を様々なスポーツ競技、大会へ提供したことが評価され、今回受賞しました。

⿅島アントラーズで「⿅ライブ」配信したり、第73回全日本フェンシング選手権大会を全試合速報したり、様々なクラブ・団体で活用されています。

参照:イノベーションリーグ・コンテスト

最後に

世界には注目度の高い広告賞があり、日本もイノベーションリーグ・コンテスト以外に様々な広告賞が存在します。しかし、国内のスポーツで大きく注目を集める広告賞は根付いておらず、発展途上であると考えます。

世界にはクリオ賞やカンヌライオンズで受賞するためにスポーツクラブとアクティベーションを行う企業もあり、スポーツクラブのパートナーシップにおける認識に国内と差があります。

冒頭でも記載しましたが、私達は国内で「スポーツ×広告」の魅力を伝え、スポーツの可能性をもっと多くの人/企業に知ってもらうべく、『Japan Sports Activation Awards』という機構を立ち上げました。その第一歩として、世界、そして日本にどんな広告賞があるのか知ってもらいたく、このnoteを公開しました。

2022年9月3日に受賞作品を発表しました!『Japan Sports Activation Awards』の取り組みについてや受賞作などは下記からご覧ください!